小学校で2020年からプログラミング教育が始まると聞いても、自分達の小学生時代はもちろん、普通の生活でもあまり関わってこないのでピンとこない方が多いのではないでしょうか?
家の子どもはついていけるのか、家庭ではどんな準備をしたらいいのか心配になりますよね。
今回は親御さんが持つと思われる疑問点をいくつかピックアップして、説明していきたいと思います。
●小学生を持つ親御さんの疑問点
小学生を持つ親御さんは、2020年からのプログラミング教育の必修化についていろいろな疑問が湧いてくると思います。
いろいろ浮かんでくる疑問点を挙げてみると次のようなものがあります。
・プログラミング教育ってどんなもの?
・プログラミングという教科ができるの?
・プログラミング教育では何を学習するの?
・家庭ではどんな準備をしたらいいのかな?
他にも疑問は湧いてくるかと思いますが、以上に代表される疑問は小学生を持つ親として知っておくべきことと思いますので、以下に解説していきます。
●プログラミング教育ってどんなもの?
小学生からプログラミング教育が必修化された目的は、
「プログラミング的思考を身につけること」
です。
また、それに付随して、
「身近な生活でコンピュータが活用されていることや問題解決には必要な手順があることに気付くこと」
「コンピュータの働きをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度」
関する資質・能力を育成することです。
(^^♪ ”プログラミング的思考ってどんなことなの?”
「プログラミング的思考を身につける」こととは、どんなことなのか分かり難いですが、プログラミング言語を覚えて、プログラミングをマスターすることではありません。
プログラミング的思考とは、
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合せたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」
とされています。
(小学校プログラミング教育の手引き(第三版)令和2年2月、文部科学省)
これは、コンピュータを動作させるための手順を別な言葉に置き換えて、広い範囲に適用できるように表現されています。
そのため、各教科等の学びの中で以上の考え方を確実に理解できるようにすることも狙いとしています。ちょっと、プログラミング教育の手引きを引用するとかた苦しい表現になってきますが、先を進めると段々分かってきます。
●プログラミンングという教科ができるの?!
(^^♪ ”プログラミング教育結果がどのように評価されるのか心配!”
プログラミング的思考を育むために、プログラミングという教科ができるのかと思いがちですが、科目が増えるわけではありません。
したがって、プログラミングに関する教科書もありませんし、プログラミングに関するテストもありません。
「じゃ、プログラミングができなくても安心した…」
と思う反面、
「プログラミング学習実施され、理解できたかをどう評価するの?」
と心配になってきます。
小学校での教育活動にはいろいろな側面がありますが、一番分かりやすのは指導単元となっている各教科に絡めて、プログラミング的思考を育てる方法です。
例えば、
・算数(5学年)
プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形を描く場面
・理科(6学年)
身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する場面
具体的には、センサーライトなどの照明のオン・オフの制御プログラムなど
・音楽(3学年~6学年)
様々なリズム・パターンを組み合えせて音楽を作ることをプログラミングを通して学習する場面
など
したがって、各教科でプログラミング教育をしたとしても、それだけ取り立てて評価せず、各科目の評価基準にそって評価することになります。
(参照:小学校プログラミング教育の手引き(第三版)令和2年2月、文部科学省)
●プログラミング教育では何を学習するの?
前節では、算数、理科、音楽などの教科の学習の時間でプログラミングを通して理解を深めるとされています。
・必ずしもパソコンやタブレットを使うわけではない。
”プログラミングを通して”となると、親御さんはパソコンやタブレットを使いこなすようなことをイメージしますが、必ずしもパソコンやタブレットを使うわけではありません。
現実的にも多くの公立小学校では、一人一台のパソコン・タブレットの配備にはほど遠い状況です。
しかし、コロナ禍での臨時休校などをきっかけに、文部省は2023年迄に1人1台の整備計画を前倒しして2020年度中に目指すと発表していますので、パソコン環境は急激に改善されていくものと思われます。
プログラミング教育は、必ずしもパソコン・タブレットを使うわけではないといっても、まるで使わないのも生きた教育になってこないですよね。
一般的には次の3つの学習方法が考えられます。
・パソコンやタブレットを使いソフトウエアで学習
スクラッチ(scratch)というビジュアルプログラムツールなどを使って、プログラミングの考え方を学びます。
このツールは、ブロックをつなぎ合わせるだけで、プログラミングできるので小学校のプログラミング教育でもこれから活用されると思います。
スクラッチの他にも、レベルや目的によって使いわけることができるソフトウエアがいくつかあります。
・ロボット教材を使って学習
こちらはパソコンやタブットの中のソフトウエアでなくて、実際に動くロボットを使って学習するものです。
ロボットを組み立てた後、プログラミングによって思いどおり動かすにはどうしたらいいかを学びます。
・パソコンやタブレットを使わないアンプラグド教材で学習
プログラミングを学ぶにはパソコンやタブレットを使わなくても学ぶことができるアンプラグド教材と呼ばれるものがあります。
アンプラグドは、”unplugged”のことで電子機器を使わない教材のことです。
具体的な教材としては、親子で学ぶ絵本や教室などでカードを使用したアクティビティなどがあります。
以上のようにプログラミングを学習する方法はいろいろありますが、どのような方法で
どの位時間をかけるのかなどは、学校の方針によります。
●家庭ではどんな準備をしたらいいのかな?
プログラミング教育は始まったばかりなので、子どもも親もどのように学んでいったらいいのか分からなのが現状です。
なので、前節で紹介したプログラミングの学習方法を家庭でも取り入れて、親子で学んでみてはいかがでしょうか。
子どもも親も新しいプログラミング教育で新しい発見が期待できます。
ソフトウエアを使って学ぶ例では、ビジュアルプログラミングツールのスクラッチ(scratch)は、公式サイトにアクセスすると無料で利用できます。
また、物づくり・工作が好きなお子さんは、プログラミングが学べるロボット工作もあります。
”embot(エムボット)”というロボット工作は、ダンボールを使ってロボット組み立て、ロボットを動かすプログラミングまでできる教材です。
子どもが分からなかったら、親も手助けが必要になりますが面白くて親が夢中になってしまうかもしれません。
でも、ほどほどに…
以上はほんのさわりです。
プログラミング教材については、こちらのサイトが参考になります。
(小学校を中心としたプログラミング教育ポータル:情報教材)
面白そうな教材があれば、家庭でもお子さんと一緒に学ぶと楽しいのではないでしょうか。
忙しくて、それどころではないという方は、オンラインプログラミング教室を受講する方法もあります。